兵庫ビルヂング協会 HYOGO BUILDING KYOUKAI

契約書の雛型と解説

賃貸借契約書式

ここに掲載しました賃貸借契約書式はあくまで標準的なものです。各会員会社によってかなり違いがありますので、よくご承知おきください。

賃貸借契約書

賃貸人・○○○○○○○○(以下甲という)と賃借人・△△△△△△△△(以下乙という)とは、甲の所有に係る第1条の賃貸借室の賃貸借につき、次の通り契約を締結する。

(賃貸借室の表示)
第1条 甲は、乙に対し下記の賃貸借室を賃貸し、乙はこれを賃借する。○○ビルディング(鉄骨鉄筋コンクリート造地下○階付○階建て)内○階○○号室○○○平方メートル(添付図面表示の通り)但し 冷暖房装置、換気設備付属のままとする。
(2)前項の面積は壁芯計算による。
(使用目的)
第2条 乙は、賃貸借室を○○○の目的にのみ使用するものとし、その他の目的に使用 してはならない。
(賃貸借期間)
第3条 賃貸借期間は、平成○○年○○月○○日から平成○○年○○月○○日までとする。
(2)期間満了と同時に本契約を終了させようとするときは甲または乙は6ケ月前までに相手方に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(3)期間満了の6ケ月前までに,甲または乙が相手先に対して何等の意思表示をしないときはこの契約は同一条件で更に○年間更新されるものとする。その後の期間満了についても同様とする。
契約期間については、2年もしくは3年が標準的ですが、5年または10年という場合もあります。
(期間内解約)
第4条 賃貸借期間中に本契約を解約しょうとするときは、甲または乙は6ケ月前までに相手方に対し書面によりその予告をしなければならない。但し、乙は予告に代えて6ケ月分の賃料相当額を支払い即時解約することができる。
(賃料)
第5条 賃料は、月額金○○○、○○○円也とし、乙は毎月末日までに翌月分を甲に持参または甲の指定する銀行に振込み支払うものとする。但し、1ケ月に満たない賃料は、その月の日数によって日割計算とする。
(2)物価の変動、土地建物に対する公租公課その他経費の増加、近隣土地建物賃料の変動その他経済情勢の変動に基づく事情により、当該賃料が不相当と認められるに至ったときは、賃料改定について甲乙協議する。
(費用の負担)
第6条 乙は共益費月額金○○○、○○○円也を甲に支払うものとする。
(2)前条の賃料に係る規定は共益費についても準用されるものとする。
(3)乙の賃貸借室使用に関連して生ずる賃貸借室内の冷暖房費及び電気、ガス、水道料等の費用(附加使用料)は一切乙の負担とし、甲の請求により直ちに支払うものとする。
共益費とは共用部分に係る費用で、廊下・トイレ等の水道光熱費、清掃費、衛生費、機械設備のオペレーション、メンテナンス費、保全管理費等が含まれます。附加使用料とは専用部分(直接当該賃貸借の対象となる建物の部分)に係る費用で、室内の電気、ガス、水道料、冷暖房料等があります。但し、電気基本料や冷暖房料が共益費に含まれているビルもあります。
(禁止行為)
第7条 乙は次の行為をしてはならない。
(1)賃借権を譲渡し、または担保に供すること。
(2)賃貸借室の全部または一部を第三者に転貸し、若しくは使用させること。
(3)賃貸借室内に第三者を同居させ、または乙以外の在室名義を表示すること。
(4)他の賃借人に迷惑となる行為その他賃貸借室を含む建物に損害を及ぼすような一切の行為をすること。
(修繕費の負担区分)
第8条 甲は建物の本体及び附属設備の維持保全に必要な修繕を行う義務を負う。
(2)賃貸借室内の壁、天井、床等に関する修繕(塗装替を含む)は、原則として乙の負担とする。
(3)前2項の要修理箇所を発見したときは、乙は速やかに甲に通知する義務を負い、且つ自己負担の修繕といえども必ず甲と協議の上実施するものとする。
(原状変更)
第9条 乙が、造作、設備の新設、除去、変更その他賃貸借室内において原状を変更しようとするときは、あらかじめ甲の書面による承諾を得なければ着手できないものとし、これに要する費用は一切乙の負担とする。
(2)前項の工事を乙が実施する場合は、その内容、方法等につき、甲と密に連絡を行い、その都度甲の承諾を得なければならない。
(損害の賠償)
第10条 乙またはその代理人、使用人、請負人その他関係者の故意または過失によって、甲または他の賃借人若しくは第三者に損害を与えた場合は、乙が一切これを賠償しなければならない。
(免責)
第11条 地震、火災、水害等の災害、または甲が賃貸人及び建物所有者としてその維持管理上通常払うべき程度の注意を払ったにもかかわらず電気、ガス、水道及び冷暖房、昇降機その他建物の設備に起因若しくは関連し、または盗難若しくは示威運動、労働争議により乙に損害が生じた場合、何れも甲はその責を負わない。
(2)乙が他の賃借人と関連して蒙った損害に対しては、事態の如何にかかわらず甲はその責を負わない。
(3)甲が行う建物の修理または改造等の工事により生ずる諸サービスの不足及び共用部分または賃貸借室の一部の使用停止若しくは使用上の制約に関しては、甲はその責を負わない。
(立入点検)
第12条 甲またはその使用人は、建物の保全、衛生、防犯、防火、救護その他建物の管理上必要あるときはあらかじめ乙に通知した上で賃貸借室に立入り、これを点検し、適宜の措置を講ずることができる。但し、非常の場合甲があらかじめこの旨を乙に通知することができないときは事後速やかに乙に報告するものとする。
(善管注意義務)
第13条 乙は賃貸借室及び共用部分を善良な管理者の注意をもって使用しなければならない。
(館内細則)
第14条 乙は、本契約書に添付する甲所定の○○ビルディング館内細則を順守しなければならない。
(免責)
第15条 地震、火災、水害等の災害、または甲が賃貸人及び建物所有者としてその維持管理上通常払うべき程度の注意を払ったにもかかわらず電気、ガス、水道及び冷暖房、昇降機その他建物の設備に起因若しくは関連し、または盗難若しくは示威運動、労働争議により乙に損害が生じた場合、何れも甲はその責を負わない。
(2)賃料に増減があった場合は、敷金もこれに従って賃料の○○月分相当額に至るまで増減するものとし、甲または乙は遅滞なく増減額を精算しなければならない。
(3)乙に延滞賃料、損害賠償その他本契約に基づく債務の不履行があるときは、甲は何等の催告なしに敷金をこれに充当できるものとするが、この場合乙は充当の通知を受けた日から5日以内に敷金の不足額を填補しなければならない。但し、乙は本賃貸借期間中は、敷金をもって賃料その他の債務との相殺を主張することができない。
(4)本契約が終了し、乙が賃貸借室を完全に明渡し、且つ甲に対する一切の債務を完済した後に、甲は敷金を乙に返還するものとする。
(5)乙は、敷金に関する債権を第三者に譲渡し、または、債務の担保の用に供してはならない。
敷金は、賃料等の債務を担保するためにオーナーが預かるもので、「保証金」と言うところもあります。また、オーナーによっては、解約の場合に敷金の一部を差し引いて残額を返還する償却という制度をとるところもあります。
(契約の消滅)
第16条 天災地変その他不可抗力により建物の全部または一部が滅失若しくは破損して賃貸借室の使用が不可能となった場合、本契約は当然終了するものとする。
(契約の解除)
第17条 乙に次の各号の一に該当することがあったときは、甲は何等の催告なしに本契約を解除することができるものとし、この場合甲が損害を蒙ったときは、乙に対してその損害の賠償を請求することができる。
(1)賃料その他の債務の支払を3ケ月分以上怠ったとき。
(2)賃貸借室を第2条の目的以外に使用したとき。
(3)第7条の規定に違反したとき。
(4)他の賃借人占有使用に著しい妨害を与えたとき。
(5)本契約またはこれに付随して締結した契約の各条項の一に違反したとき。
(6)賃貸借室を甲の承諾なくして1ケ月以上使用しないとき。
(7)差押、仮差押、仮処分、強制執行等公権力の処分を受けたとき、破産、会社整理、会社更生手続または民事再生手続等の申立を受け、もしくは自らこれらの申立をしたとき。
(8)著しく信用を失墜する事実があったとき。
(原状回復等)
第18条 本契約終了と同時に、乙は賃貸借室に設置した造作その他の設備及び乙所有の物件を自己の費用をもって収去し、乙の希望により甲が設置した甲所有の物件についても甲の要求があるときは自己の費用をもってこれを取外し甲に引渡すとともに、賃貸借室及びその付属設備、造作の破損箇所を自己の費用をもって修理し、賃貸借室を原状に復してこれを甲に明渡すものとする。この場合において、乙が遅滞なく原状回復の処置をとらなかったときは、甲は乙の負担において原状回復の処置をとることができるものとし、乙はこれに異議を申し立てない。
(2)本契約が終了し、乙が賃貸借室を明渡した後に賃貸借室内に残置した物件があるときは、甲は任意にこれを処分することができる。
(3)本契約終了と同時に乙が賃貸借室を明渡さないときは、乙は本契約終了の翌日から明渡し完了に至るまでの賃料相当額の倍額の損害金及び諸費用相当額を甲に支払い、且つ明渡し遅延により甲が損害を蒙ったときはその損害を賠償しなければならない。
(造作買取請求権等)
第19条 乙は、賃貸借室内の明渡しに際し、その事由、名目のいかんにかかわらず賃貸借室、諸造作及び設備について支出した必要費、有益費の償還請求または移転料、立退料、権利金等一切の請求をしないことはもちろん、賃貸借室内に自己の費用をもって施設した諸造作、設備などの買取りを甲に請求することはできない。
(保証人)
第20条 保証人は本契約に基づき乙の負担する一切の債務履行に関し乙と連帯してその責に任ずるものとする。
(消費税)
第21条 乙は本契約にかかる諸料金について税制改革法、消費税法および地方税法に基づき負担すべき消費税および地方消費税を別途支払うものとする。
(管轄裁判所)
第22条 本契約から生ずる権利義務について争いが生じたときは、○○地方裁判所を管轄裁判所とする。
(規定外事項)
第23条 本契約に定めのない事項並びに契約条項の解釈に疑義が生じたときは、甲乙誠意をもって協議し、その解釈にあたるものとする。

本契約締結の証として本書2通を作成し、甲乙各1通を保有する。

平成○○年○○月○○日

連帯保証人